テングザルはボルネオ島(カリマンタン島)のみに生息する絶滅危惧種です。名前の通りオスはテングのような長い鼻を持ち、マングローブの森や河口などで群れを成して生活しています。
町中にウロウロしているわけではありませんが、ボルネオ島に来たらぜひ見たい動物です。コタキナバルから日帰りで行ける距離にある、野生のテングザルのいるマングローブを紹介します。
※MYR(マレーシアリンギット )1=2.7円
テングザル概要
テングザルとは
テングのように鼻が長いため、日本語ではテングザルと呼ばれています。英語ではプロボシス・モンキー(plobosis monkey)、マレー語ではバワウ(bawau)と言います。
群れをなしてマングローブの森で生活しており、川を泳いだり立って陸地を歩くこともするそうです。マングローブの森には他の動物も生息しますが、一生をマングローブだけで過ごすのはテングザルだけです。
特徴
鼻が大きいのは大人のオスのみで、メスや子どもは上を向いた鼻の形をしています。日中は川を離れる習性があり、早朝と夕方日が沈む頃に木の枝を寝床にするために現れます。
ボートトリップでテングザルが見られる3つの川
クリアス川ベースキャンプ
コタキナバルからおよそ車で2時間、ピューフォート(beaufort)という町にクリアス川が流れています。ここにベースキャンプがありボートが出ます。
JTBやHISの日本人向けツアーはこちらのベースキャンプを利用することが多いようです。フリーで行くと、日本人ツアーと同じボートに乗せられることが多く、思いがけず日本語で説明が聞けたこともありました。
外国人観光客が一番多く来る場所で、食事やトイレなどの施設も整っています。
ガラマ川ベースキャンプ
クリアス川よりさらに河口の川です。距離的に3か所の中でコタキナバルから一番遠く、車で2時間半ほどかかります。他の場所に比べて観光客が少なく静かです。その分設備はクリアス川に比べて劣ります。
ガラマ川はより近くで見られるだろうと期待をして行ったのですが、まさかの1匹も見つからなかったという類まれな経験をしました。ガイドさんも10年以上この仕事をしているが、1匹もいなかったのは初めてと言うほどです。
そのため他の川との比較ができませんが、ガラマ川のPRとして書かれているのは、人が少ないことと川の幅が狭いのでテングザルをより近くで見やすいということです。
カワカワ川ベースキャンプ
コタキナバルから見てクリアス川、ガラマ川とは逆方向にあるコタ・ブルドゥ(kota berhd)という町にあるのがカワカワ川です。ここは自然保護のために観光客を制限しています。3か所の中ではコタキナバルに一番近く車で1間半で到着します。
コタブルは海の民バジャウ族が多く住む町で、リバークルーズ以外にピンクモスクの見学などが盛り込まれているツアーが多くあります。カワカワ川は中国人観光客が多く利用し、賑やかです。
テングザル鑑賞ツアー概要
参加方法
リバークルーズは基本的に旅行会社が運営しているので、どこかの旅行会社で予約することになります。旅行日程をあらかじめ決めていく場合は、事前予約が良いでしょう。値段は様々ですが、クルーズのみならばMYR330(約9,000円)前後が平均です。
予約
渡航前に予約していなくても、前日までに予約すれば大丈夫です。コタキナバル市内に旅行代理店はたくさんあり、ショッピングモールにカウンターを出しているところもあるのでそれほど困る事はありません。日本語のインターネット検索でもたくさん見つかります。
カフェやホテルはたいてい無料Wi-Fiがあるので、お手持ちのスマートフォンやタブレットでも探せます。
ツアーの言語
英語ツアー、日本語ツアー、コタブルの場合はリバークルーズ以外の内容によってお値段も異なるので、いくつか比較しても良いでしょう。旅行会社はベースキャンプと提携しているので、どこで申し込んでも内容は同じです。
テングザル鑑賞のツアー内容
午後2時前後にコタキナバルを出発
午後2時前後にコタキナバルを出発、宿泊先のホテルか指定した場所に迎えに来てくれます。当日の参加人数やピックアップの都合で時間は前後します。各旅行代理店で確認して下さい。コタブルの場合は午後2時半くらいが目安になります。
クルーズが出るベースキャンプまでそれぞれ1時間半から2時間半、コタブルは先にモスクを回るツアーが多いようです。
ボートが出るベースキャンプまで着いたら、まずはハイティーです。イギリス領地だったなごりなのだと思いますが、お茶とお菓子を頂きます。
コーヒー、サバティーにマレーシアのお菓子が付きます。お菓子はマレー語で「クエ」といい、パンダンという葉やココナッツを使ったものが多くあります。揚げバナナ(ピサン・ゴレン)は必ず見かけます。
テングザルを探しに
午後5時ごろを目安にボートに乗り、テングザルを見に行きます。野生のテングザルなので、どこにいるのか探しながら進みます。
他にもモニター・リザード(オオトカゲ)やカニクイザルなどの動物を見つけることができますが、いずれにしても野生動物なので100パーセント見られる保証はありません。
1時間ほどのリバークルーズを終えてベースキャンプに戻ったら、夕食です。
夕食の後はホタル観賞
夕食後、再びボートに乗りホタル鑑賞に出かけます。たくさんのホタルが木に止まり光る様子は、まるでクリスマスツリーのようでとてもきれいですよ。
テングザル鑑賞ツアーの持ち物
虫除け
ボルネオ島に足を踏み入れたら、必ず持ち歩きたいのが虫除けです。特にマングローブに入るので必需品になります。
レインコート
リバークルーズツアーは雨でも決行します。雨でもテングザルが見られるからです。クルーズ中に雨が降っている場合もあるので持参しておきましょう。
雨が降らなくてもボートトリップなので濡れる可能性はあります。レインコートはベースキャンプで購入できる場合もありますが、在庫はそれほど多くありません。
着替え
ツアー内容で記載した通り、ボートに2回乗ります。雨の確率が高そうならば2回分の着替えをお勧めします。
クルーズが終わった後も2時間ほどかけてコタキナバルまで戻らなくてはなりません。ベースキャンプからバスにのる間に再び濡れて、帰りのバスで寒い思いをしたことがありました。
荷物はベースキャンプに置いておくこともできるので、貴重品と分けて着替えを持っていった方が良いでしょう。
上着
往復のバスの中が寒い場合に備えて持っていると良いです。
他のあると便利なもの
- 双眼鏡
- カメラ
- ビデオカメラ
双眼鏡もベースキャンプにて有料で借りられますが、数が少ないため確実に借りられる保証がありません。レンタルしたい場合は、ベースキャンプで早めに聞いてみてください。1つMYR10程度です。
まとめ
どこの川が一番見られる確率が高いのか、気になりますよね。せっかく行くならよく見られるところに行きたいものです。
事あるごとにリバークルーズのガイドをしている人、数人に尋ねてみたのですが、答えはまちまちでした。天候などが大きく左右するのでしょう。テングザルとの距離や数は違っても、どこでもほぼ見られるからです。ここならたくさん見られるとは言えません。
だからこそ、野生のテングザルを見つけた時は嬉しい気分です。ぜひ目を皿にして見つけてください。