マレーシア、インドネシア、ブルネイの3つの国からなるボルネオ島。その最北端はマレーシアのサバ州「ティップ・オブ・ボルネオ(Tip Of Borneo/ボルネオの先端)」と呼ばれています。
州都コタキナバルからは190キロほどありますが、フィリピンのバラバケ島までは136キロ。天気が良ければフィリピンの島が見える距離に位置しています。またここは南シナ海とスールー海峡の間に位置しています。
かつては州都であった町ですが、スールー王国の襲撃が頻繁にあり、サンダカンという町に州都を移したと言われています。
それでは、今回はティップ・オブ・ボルネオの海のきれいなのどかな田舎町を紹介します。
※MYR1=約2.7円
ティップ・オブ・ボルネオ(tip of borneo)とは
ティップ・オブ・ボルネオの位置
ティップ・オブ・ボルネオはボルネオ島サバ州のクダット(Kudat)という田舎町にあります。ボルネオ島の最北端に位置し、海に囲まれた町です。市街地を離れると一面のプランテーションが広がり、本や記事で読む森の減少を目の当たりにします。
民族
町の数は少ないですが、ここは原住民族のルングス族が多く住む町としても知られています。ルングス族は農耕民族ですが、養蜂を行っている人もおり、ハチミツの産地として有名です。
またビーズのアクセサリーも作っていて、コタキナバルのお土産屋さんでも色とりどりのビーズが売られています。
ティップ・オブ・ボルネオへのアクセス
レンタカー
おすすめは、コタキナバルからレンタカーで行く方法です。国際免許証とパスポートを提示すれば借りることができます。
※クレジットカードは必要ありません
ノンストップで3時間ほどですが、途中の町に寄り道したり、景色を楽しみながらゆっくり行くのもよいでしょう。
サバ州はとても道が悪く、山道をいくつか越えるため、車のタイプは4WD(四輪駆動)がおすすめです。
レンタカーは空港はもちろん、コタキナバル市街地の旅行代理店などで扱っています。ただし、店頭に車があるわけではないので事前予約が良いでしょう。手数料MYR30前後で指定の場所まで持って来てくれます。
乗用車で1日MYR220(約6,500円)くらいから、4WDだとMYR450(約11,000円)くらいが相場です。長く借りれば割引になります。
クダットまでの道中にある町は限られています。休憩をするなら、コタ・ブルドゥが良いでしょう。距離もちょうど中間で給油もできます。
他にはティップ・オブ・ボルネオから30分の距離にあるクダットの市街地か、クダットの南に位置するコタ・マルドゥの町がありますが、コタキナバルとクダットのルートを考えると、どちらも遠回りになります。時間に余裕がある場合のみおすすめします。
一面プランテーションの森を走り続けるので、燃料は余裕を持ちましょう。
バス
1番安い方法は、コタキナバル市街地のバスターミナルから、ミニバンでクダットの町まで行く方法です。料金は1人MYR30(約850円)前後です。
ムルデカ広場の前が北方面のバスターミナルになっており、「kudat」と行先が書かれたミニバンを見つけましょう。ミニバンには最終目的地が書かれています。コタキナバルークダットと書いてあれば間違いありません。
プレハブの掘っ建て小屋が2軒ほどあり、そこでチケットを販売しています。ミニバンの時間はあまりあてにならないので、事前に直接行って確認するのがよいでしょう。発車時刻が決まっていても、満員になるまで待つことがあります。
クダットの町からティップ・オブ・ボルネオまでは、事前に宿泊先の人に頼んでおくと迎えに来てもらえます。ただ、送迎サービスは公にうたっていないので、必ず予約時に確認してください。その日は車が出せない、ドライバーがいないという可能性も大いにあります。
さらに、送迎をお願いし、okをもらって予約できていても、前日や当日早めに再確認をした方がよいでしょう。
値段はMYR50(約1350円)が相場です。クダットの町からは30分ほどの距離なので高く感じますが、「運転手は往復運転になるため、その値段になる」とロッジのオーナーが話していました。
クダットの町中にタクシーやタクシー乗り場は見当たりません。タクシーを使う人は乗り合いタクシー(複数の人が乗車して、それぞれの目的地で下ろしてもらう)がほとんどです。複数人いれば1人当たりの値段は安くなりますが、1人で乗るとその分高くなります。
乗り合いタクシーは自分ではなかなか見つけられませんので、飲食店で聞いてみると良いでしょう。知り合いがいれば連絡をとってくれることもあります。ロッジの送迎料金を目安に交渉しましょう。
飛行機
1番楽なのは、クダットに空港があるのでそこまで飛んでしまうことです。クダットの空港からはタクシーを利用します。時間はおよそ30分。正確な値段は分かりませんが、やはりMYR50くらいだと思います。ロッジ同様、運転手は空手車で帰ることになるからです。
空港までの戻りは宿泊先の送迎を使うことになります。
ティップ・オブ・ボルネオの宿泊施設
コタキナバルから日帰りもできますが、ここまで来るならぜひボルネオの美しい夕陽を見て欲しいです。
クダットの町は先端の東側にあたるので、夕陽をみるならティップ・オブ・ボルネオのモニュメント近くが最適です。
モニュメントのある駐車場のすぐ近くにコテージタイプの宿泊施設、シャーレーがあり、一本道のビーチ沿いに4、5軒のロッジや、「ロングハウス」と呼ばれる竹作りの長屋式の宿泊施設があります。
レストランと呼べるものが近くにありませんが、宿泊可能なところであれば宿泊施設にあるお店で何かしら食べられます。レストランではないのでメニューにあるものが全て作れるとは限りません。私が行った時も「今日は麺がないから米類だけ」でした。
街灯のない真っ暗な夜に、虫の声と波の音が響きわたり、雲がなければ満天の星空が眺められます。
宿泊先では、ダイビングや船釣り、バナナボートなどのアクティビティが申し込めますし、なにより目の前の真っ白な誰もいない砂浜をひとり占めできます。
ゴミひとつない綺麗な海で、小魚の群れが足元を泳いで行きます。外海になるので波は高いですが、サーフィンにはもってこいです。
ティップ・オブ・ボルネオ周辺の観光地
マランジャック・ロングハウス・ロッジ
今では貴重になっているルングス族の「ロングハウス」。そのロングハウスに宿泊できる場所が、クダットのババンガゾ村にあります。
観光地にもなっていて、宿泊しなくても有料で見学できます。ロングハウスの奥ではオーナーの義姉にあたるおばあさんが民芸品販売をしています。
マランジャック・ロングハウス・ロッジ
- Contact for Kg. Bavanggazo Rungus Longhouse
- 住所:jalan bavanggazo PS17 pos mini Matunggong 89958 Kudat sabah malaysia
ティップ・オブ・ボルネオからは45km、車で約50分の距離になります。ティップ・オブ・ボルネオにはタクシーは走っていないため、宿泊先に送迎をお願いするのが良いでしょう。ティップ・オブ・ボルネオでレンタカーは借りられません。
- 電話: +60 10 798 1681
- 連絡先1:Mr. Adrian Angkung +6010-7981681
- 連絡先2:Mr. Maranjak –Tel : +60 88 622524
- 入場料:大人MYR5(約140円)/子供MYR2(約50円)(3歳以下は無料)
- ホームページ:http://www.sabahtourism.com/destination/kampung-bavanggazo-rungus-longhouse/
スマンカッ村・ゴングファクトリー
マランジャック・ロングハウス・ロッジから5キロ、車で10分足らずのスマンカッ村には、ゴングを製造している工場があります。日本でいうと銅羅のような楽器で、ルングスの祝いごとには欠かせません。
大勢で行くと、この楽器で演奏もしてくれるそうです。こちらは工場見学や購入も可能です。大きなものからお土産用の小さいものまで種類も様々です。
スマンカッ村・ゴングファクトリー
- jalan Sumangkap gong factory
- 住所:jalanKG gsumangkap 89050 Kudat sabah malaysia
- 電話番号:013-8842400
- 営業時間:午前8時30分から午後5時30分
- 入場料:12歳以上MYR5(約140円)/6歳から12歳MYR3(約80円)(6歳以下は無料)
- ホームページ:http://www.sta.my/kampung_sumangkap.cfm
ティップ・オブ・ボルネオの注意点
とてものどかな田舎町ですが、2018年12月現在、日本政府はクダットへの渡航を推奨していません。陸地でレベル2、海はレベル3となっており、十分な注意が必要です。
特にサバ州で1番心配されるのが外国人の誘拐です。人がいない場所は日中でも行かない、日が沈んだら外出をしないなど、より注意が必要になります。
途中の町は特に注意勧告されていませんが、コタキナバルとは違い外国人はほぼいません。高価な物を持ち歩いたり、大きな額のお金は見えないようにするなどの配慮が必要です。マレーシアのお金に慣れていない場合は、財布を2つに分けるなど工夫しましょう。
ティップ・オブ・ボルネオ周辺には観光客しかいないので、外国人に慣れている人が多いですが、飲食の支払いのときに大きな紙幣だとお釣りがない場合があります。MYR10やMYR20の細かいお金は用意しておきましょう。
必ず下記のホームページで危険情報を確認して下さい。
外務省海外安全ホームページ
まとめ
ティップ・オブ・ボルネオのビーチは本当に綺麗です。白い砂浜、青い海と空。何より人が少ないのでほぼ貸切なのです。
世界で3番目に大きい島、「ボルネオ島の果て」を誰もが見たがります。喧騒を離れ静かに過ごせること間違いなし!
運が良ければウミガメに出会えるかも知れませんよ。