ボルネオ島のサバ州には32種族の民族がいて、その言語は52種類に及ぶと言われています。その歴史は同じボルネオ島にあるサラワク州とも半島の西マレーシアとも異なります。
マレーシア全土、どこでも食べられるものでも一味違ったり、サバ州でしか食べられないものがあります。せっかくコタキナバルで食事をするのならば、ぜひここでしか食べられないローカルフードを楽しみましょう。
日本人にもなじみやすいお店もたくさんあるのできっと満足できます。
※1リンギット=約25円
ボルネオ島コタキナバルで食べたいシーフード
海が目の前にあるコタキナバルでは、町の中心地に中央市場があります。市場に入る前、船から直接仕入れた魚介類が直売され、新鮮な魚介類を使った料理が食べられます。
市街地にも郊外にも多数あるシーフード店では、水槽で泳いでいる魚をその場で調理してもらえます。味付けや調理法を指定するので好みに合わせられます。
おとなりさんのオーダーを参考にするのもあり
魚は蒸す、煮る、焼く、味付けはオイスターや酒蒸しなのか、など細かく指示できます。
とは言え、慣れないと外国語で味付けを指示するのは難しいものです。特にシーフードの店は中国人客が多く、中国語の表記や中国語で注文を取りに来る場合があります。
そこで、テーブルを見渡して他の人が頼んでいるものをチェックし、「おいしそうだな」と思ったら同じものを頼むとはずしません。店員さんに人気がある調理法やおすすめを聞くのも良いでしょう。
値段を事前に確認、注文時にも確認
注意点は、水槽のものは値段を確認する、予算を先に伝える、注文した時点で合計金額を聞くの3点です。魚によっては魚一匹数万円なんてこともあるため、注意が必要です。もちろん、大人数で行く方がお得です。
ボルネオ島コタキナバルで食べたいラクサ
ラクサ= laksaは、華人の子孫であるババニョニャ料理の代表です。
ババニョニャ民族料理
ババニョニャとは、西マレーシアのマラッカ周辺の19世紀までに産まれた中華系男性とマレー系女性の間に産まれた子どものことです。
その間に産まれた男の子をババ、女の子をニョニャと呼んだことが起源で、この民族を「ババニョニャ民族」と呼ぶようになりました。
ババニョニャ料理は見た目は中華風ですが、味付けはマレー風であることが特徴で、サンバルやチリを使った辛い料理が多いのです。
ムスリムでも食べられる
ラクサは麺料理で、ダシを魚やエビでとっており、ムスリムでも食べられるためマレーシア全土で食べられます。
クチンラクサなどの辛いスープを売りにしている店から、ココナッツミルクベースでほとんど辛くないラクサまでさまざまです。
日中に開く店が多く、人気店は売り切れると午後2時頃には店を閉めてしまうため、お昼時を狙って食べに行くとよいでしょう。
サバ特有はココナッツミルクベースのラクサです。
ボルネオ島コタキナバルで食べたい板麺(パンミー)
板麺(パンミー)=pan meeは、麺が太く日本のきしめんのような感じです。その字の通り板の麺なので「パンミー」と呼ばれています。
パンは中国語で「板」、ミーはマレー語で「麺」を指します。細身の麺からちぎり麺まで麺の種類はさまざまで、麺の種類を選べる店もあります。
サバベジと呼ばれる葉物野菜とイカンビリと呼ばれる小魚が上に乗っています。
キッチャイをたっぷり絞って食よう!
お好みでキッチャイやニンニク、唐辛子を入れて食べます。キッチャイとはライムのような柑橘類でライムよりも小さい形をしています。キッチャイは中国語で、マレー語ではリマウといいますが、ほぼキッチャイで通用します。
リマウには2種類あり大きさが違うのですが、キッチャイというと小さい方のリマウが使われていることが多いです。見た目は緑色の皮ですが、中はほんのりとオレンジ色で酸味もライムほど強くありません。
キッチャイは調味料として使われることが多く、魚料理、鶏肉料理にもよく付いてきます。このキッチャイをたっぷり絞って食べるのがおすすめです。
ボルネオ島コタキナバルで食べたいロティ・チャナイ
ロティ・チャナイ=roti canai。ロティはマレー語でパン、チャナイは放り投げるという意味があります。バターを練りこんだパン生地を、投げながら伸ばして焼きます。
これにカレーをつけて食べます。パン生地のみは0(ゼロ)を意味するkosong(コソン)をつけてロティ・コソンと呼びます。
ロティ・チャナイが食べられる店の多くはママックと呼ばれ、24時間開いています。インド系の経営者が多いママックですが、サバはインド系の人が少ないのでマレー系の人が作っている店が多くあります。そのためかカレーの味もなじみやすいです。
カレーは通常2種類付き、辛めのものと普通の辛さです。辛いのが苦手な場合は豆のカレー(ダル・カリー)がおすすめです。
ロティに関しては他にもたくさんあります。
例えばロティに卵を入れたものはロティ・トゥルル、ココナッツと蜂蜜で作られたカヤというジャムを入れたものはロティ・カヤとなります。入れたいものを一緒に頼んでみると楽しいですよ。
ロティ・コソンは高くても2リンギット(約60円)と格安です。
ボルネオ島コタキナバルで食べたいロティ・テシュ
ロティ・テシュ=roti tishは、ロティ・チャナイと似てますが、パン生地をながーく伸ばしてパリパリに焼いた物にコンデンスミルクを上からかけた食べ物です。ごはんというよりおやつといったところ。ママックで食べられるのであわせていかがですか。
ドリンクはさっぱり系がおすすめ
コンデンスミルクがたっぷりかかっているので、とても甘いです。甘いのでサッパリした飲み物がおすすめです。紅茶やコーヒーはどうしても甘いものが出てくるので、中国茶や水が良いでしょう。
一人で全部食べるのは大変ですが、数人でちぎりながら食べたらあっという間になくなります。甘さで満腹になるので食後には重いかもしれませんが、おやつにはちょうど良いです。
写真はめったに見ない高さで、通常だと20cmから30cmです。技術が必要なので、作れる人がいない時は同じ店でも「ない」と断られますし、同じ店で頼んでも、作る人によって高さが異なります。
ボルネオ島コタキナバルで食べたい肉骨茶
肉骨茶=baku te。バクテーと呼ばれるこの料理は、骨つきの豚肉を八角などの漢方で煮込んだ料理です。これをごはんにかけて食べます。八角の独特の匂いや味が嫌いな人は敬遠されますが、好きな人はハマるおいしさです。
コタキナバル市街地に有名な老舗が2店舗ありますが、どちらも肉骨茶は午後4時以降のみです。郊外の華人が多く住む地域では日中でも食べられます。
店舗ごとに違う味、食べ比べも面白い
肉骨茶はマレーシア大半の地域はもちろん、シンガポールでも食べられます。地域ごと、店ごとに味も異なるので食べ比べも面白いです。大きく違うのは漢方のスープです。すごくクセの強い店、さほど漢方臭さのない店があります。
また、豚肉の他に油揚げや葉物野菜が入っていることが多いですが、別々の皿で出す店、すべて一緒に一皿で出す店があります。好みによりますが、私は別皿でそれほど漢方臭くない肉骨茶が好きです。
中国醤油としいたけも入っているためか、日本人には懐かしい味です。
ボルネオ島コタキナバルで食べたいナシレマ
ナシレマ=nasi lemak。マレーシア人の「これがなかったら生活できないランキング」1位がこのナシレマです。ナシはごはん、レマは油を意味し、ココナッツミルクで炊いたごはんのことです。
必ずナシレマに添えられている具は、揚げた小魚、卵、キュウリ、ピーナッツで、そこに、お店特製のサンバルソースがかけられています。お好みで、鶏肉、羊肉などを足すと、自分だけのオリジナルナシレマに。
ナシレマの味はサンバルで決まり!
ココナッツミルクのごはんなので、甘いごはんです。ご飯が甘いので違和感がありますが、サンバルソースが辛いので中和されます。サンバルソースは辛いだけでなく、旨味を引き出してくれるソースなのです。
シンプルな料理なので、ナシレマの美味しさはサンバルで決まると言われるほど、このソースは重要です。
オーダーしてお皿に盛り付けて出してもらうことはもちろん可能ですが、お弁当代わりに紙やバナナリーフなどでくるんで売られているのをよく目にします。
マレー系、中華系、どの民族にも親しまれている、国民食がこのナシレマで、もちろんサバ州も同様です。マレーシア人定番の朝ごはんです。
ボルネオ島コタキナバルで食べたいアヤムペニャ
アヤムペニャ=ayam penya。アヤムペニャとは、鶏のモモ肉を丸ごと一つ揚げたもので、元はインドネシアからきた料理です。肉に薄く下味がついているので、香ばし匂いがします。これにサンバルやチリソースを付けて食べます。
ローカルレストランならではの逸品
ペニャとは平らにする、平らな、という意味で、揚げる前に木の棒などで肉を叩きます。そのため、できあがったお肉が柔らかくなり、骨から身が取りやすくなるので食べやすいのです。柔らかでおいしい!
写真の付け合わせはテンペイと呼ばれる、大豆を発酵させたもの。こちらもこんがり揚がってます。他にはサバベジと言われる葉物や、レタスなどの野菜が付いていることが多いです。
サバではどこの店でもあるわけではありませんが、出会える確率が高いのはローカルのレストランです。
ボルネオ島コタキナバルで食べたいスチームボート
スチームボート=steam boat。大きな鍋にスープをいれ、魚介類や野菜を煮て食べます。
スープは店により異なりますが、チキンスープ、漢方スープ(チャイニーズハーブ)、キムチスープの中から選べる店が多いです。鍋を半分で仕切り2種類の味が楽しめる店もあります。
スチームボート、セルフサービスの食べ放題が多い
食べ放題の場合、一人40リンギット(約1,100円)くらいからと、他の食べ物と比べると高めですが満腹になること間違いなし。
暑い国なので鍋料理のようなものは他にありませんが、鍋を囲む食文化のある日本人にはなじみやすいのではないでしょうか。
具材はエビ、イカ、貝類、鶏肉、野菜、白身魚のすり身、麺などたくさんあります。最後のシメに麺を入れて食べたくなりますね。
ボルネオ島コタキナバルで食べたいコンローミー
コンローミー=kon loo mee。麺というとマレーシアでは熱いスープに入って出てきます。コンローミーは、スープがなく麺にソースをからめた料理です。
サバ州のトゥアランという町にトゥアランミーという麺料理がありますが、それとよく似ています。実際使われている麺も同じ乾麺です。
日本の冷やし中華ぽい
まるで日本の冷やし中華、味は店によって多少違いますが、味付けは選べません。店に入ったらその店の味です。
上に乗る具はさまざまで、魚、鶏、チャーシューのような豚などから選べます。写真はすべてトッピングしたものです。チキンカツやトンカツを乗せている店もありました。
中華系のクダイコピ(路面店)にあります。
これはサバ州でのみ食べられるもので、西マレーシアでは食べられません。コタキナバルに来たらぜひ試してもらいたい一品です。
ボルネオ島コタキナバルで食べたい飲茶
飲茶=dimsam。世界的に有名な飲茶はボルネオ島でも食べられます。コタキナバル市街よりも華人が多く住む地域に多くあります。ディムサムと呼ばれており、コタキナバルではヤムチャと言っても通じません。
海の近くならではの海老を使ったものがおすすめ
メニューを見てオーダーすることもできますし、ワゴンで店内を回る人もいるので見て決めることもできます。
スイーツの中身がドリアンクリームやマンゴ味もありますが、おすすめはオーソドックスなものです。特にドリアンは好き嫌いが分かれるので、見た目がかわいくても中身を確認しましょう。
写真で選んだらすごく辛かった経験もあるので、店員に確認することをおすすめします。
ディムサムは朝ごはんなので、朝8時ごろから食べられますが、その代わりに昼前には終わってしまいます。品切れになったら終了で飲茶以外の注文となるので、午前11時ごろまでに行くと良いでしょう。
まとめ〜食の宝庫、コタキナバルのローカルを徹底チェック
本当にコタキナバルは食の宝庫です。食事が合わずにゲッソリ痩せて日本に帰る日本人の話は、聞いたことがありません。日本人には、なじみやすい食べ物がたくさんあるので、食べてみたいものをあげると一週間の滞在では足りないくらいです。
まだまだたくさんのローカルフードがあります。ガイドブックを見たり、ガイドにおすすめの店を聞いたりしながら、食の計画もたててローカルフードを満喫してください。