マレーシアは「マレー系」「中華系」「インド系」の3つの民族で構成されており、それぞれ結婚式も全く異なったスタイルです。
初めて参加するなら「どんな服装で行けばいい?」「ご祝儀はいくら?」「気を付けることは?」、このような疑問が出てくると思います。
私はマレー系マレーシア人と現地で結婚しており、他民族の結婚式にも数回参加しました。今回は参加するとき恥をかかないよう、それぞれの民族の結婚式について詳しくお伝えしていきます。
※1 MYR(マレーシア・リンギット)=約25円
マレーシア結婚式とは
時間通りに始まらない
今まで3回結婚式に参加しましたが、どの結婚式もだいたい30分くらい遅れて始まりました。初めて参加するとき10分くらい遅れそうだったので急いで会場入りしたのですが、始まる様子はなく、私の後に来た人もたくさんいました。
マレーシアの結婚式は定刻時間ちょうどに始まることはほとんどないので、少し遅れても問題ないです。
服装はラフな格好でもOK
結婚式が行われる場所は、どのタイプの会場でも服装は、自由です。
女性の場合、日本だと結婚式に向けて上品なワンピースを着たり、美容室で髪の毛をおしゃれにアレンジしたりする人が多いですよね。マレーシアでは美容室に行く必要もなく、ヘアアレンジも服装も「小ぎれい」程度で十分です。
自由に帰ってOK
食事形式によって帰るタイミングは異なります。食事形式はビュッフェスタイルとコーススタイルの2種類があります。ビュッフェスタイルだとおなかいっぱい食べて満足したら、コーススタイルは全てサーブされたら帰っても大丈夫です。
中華系の式に参加した際、参加者は料理が終わると違うテーブルに移動しておしゃべりしたり退散したりと、かなり自由な雰囲気で驚きました。ただ帰る前はマナーとして新郎新婦に一言挨拶しましょう。
マレー系の結婚式
マレーシアの人口の60%を占めるのが、マレー系の人たちです。95%のマレー系がイスラム教を信仰しており、結婚式もイスラム式で行われます。
私が経験したイスラム式の結婚式
私の夫はイスラム教徒を信仰するマレー系です。マレーシアではイスラム教徒との結婚の場合、非イスラム教徒は改宗が必須なので、私は結婚前に改宗しました。
そして挙式はイスラム教徒のお祈り場所である「モスク」で行い、女性は宗教上、髪の毛を隠す必要があるので、ヒジャブ(イスラム教徒が髪の毛を隠す布)を巻きました。
モスクでの挙式はとてもシンプルで、小さなテーブルと新郎新婦用のクッションが用意されてるのみで、その他の方々は地べたに男女別で座ります。
一通り終わると、新郎や家族はお祈りを始めます。イスラム教徒全員が一斉にお祈りをするという儀式はないので、非イスラム教徒でも気軽に参加できます。
夫の家族や夫は、とても厳格なイスラム教徒なので、少し重苦しい雰囲気になるかと思ったのですが、イマーム(イスラム教徒の宣教師)がとてもユニークな方だったので、終始和やかなムードに包まれた結婚式でした。
ご祝儀について
ご祝儀は日本人の同僚と上司からのみ頂きました。マレー系の人は宗教上、ご祝儀としてお金を渡すことはあまりしないそうなので、なくても大丈夫です。もし渡す場合の相場は以下の通りです。
- 同僚や友達……約MYR 50~70(約1,300~1,820円)
- 部下や上司……約MYR 70~150(約1,820~3,900円)
どんな服装で参加すればいい?
女性の場合
イスラム教徒への配慮として以下の服装は避けましょう。
- ノースリーブ
- 背中、胸元が極端に見える
- 体のラインが極端に出ている
これらに気を付けて小ぎれいにしていれば、自由です。
ただし、モスクで行われる結婚式の場合、女性は必ず髪の毛や肌を隠さなければいけませんが、モスク以外での結婚式(ホテルやレストラン)だと、髪の毛は隠す必要はありません。
男性の場合
モスクで行われる挙式では、短パンや破れているジーンズはNGですが、それ以外は自由です。
上の写真の男性のように、日本人男性でも帽子と腰に布を巻くマレー式伝統スタイルを着用すると、とても喜ばれます。
※イスラム教徒は宗教上、飲酒は禁止なので式場がモスクでなくても、お酒の提供はありません。
中華系の結婚式
中華系の披露宴は招待客を300~500人くらい呼ぶのが一般的で、3つの民族の中で一番盛大で派手です。
同僚の結婚式に参加した体験談
ホテルでの披露宴だったのですが、10人掛けの円陣のテーブルに、私の名前が書いてあったので、そこに座りました。
基本的に同じグループ毎(職場仲間や、ご近所さん同士など)にテーブルは配置されているため、私のテーブルは職場仲間のみでした。
料理は大皿に盛り付けられており、テーブルの回転台にサーブされ、周りの方々とコミュニケーション取りながら各々取り分けます。
マレーシアの中華系の方々は、ご飯を食べながらお酒を飲む習慣はあまりなく、お酒を飲んでる方は少なかった印象ですが、お酒が好きな方は気にせず飲んでも大丈夫です!
ご祝儀について
日本と同じように、披露宴の受付係に渡します。相場は下記を参考にしてください。
- 同僚や友達……約MYR 50~100(約1,300~2,600円)
- 部下や上司……約MYR 100~200(約2,600~5,200円)
祝儀袋ですが、日本の100円ショップで売ってるようなポチ袋で大丈夫です。中華圏で「赤」は縁起が良いとされているので、できれば「赤」の祝儀袋を使いましょう。
どんな服装がいい?
「白」は葬儀をイメージさせるので、白の服装は避けてください。それ以外は小ぎれいであれば自由です。
同僚の結婚式に参加した際、女性はきれいめなワンピーススタイルが多かったです。ちなみに男性はワイシャツにスーツが多かったですが、ポロシャツにデニムというカジュアルな服装の人もいました。
インド系の結婚式
インド系のほとんどは、牛肉を食べないヒンズー教徒です。なので、結婚式もヒンズー教の教えに従って行われます。
友人の結婚式に参加した体験談
ヒンズー教の結婚式ではとても多くの儀式が行われ、私が参加した時は、なんと2時間半ほどかけて儀式が行われていました。
特に印象に残ったのは、最後にゲストが新郎新婦にフラワーシャワー代わりに、「黄色い米」をかけて祝福するところです。食べ物をかけるのはビックリしましたが、ヒンズー教では黄色い米は、神聖な儀式の時に使われるそうです。
料理はビュッフェ式で、イスラム教徒への配慮もあり、お肉はチキンのみでした。ちなみにお酒はイスラム教同様、宗教上禁止されているため提供されません。
儀式後はインド音楽にのりながら、ゲスト達がダンスしたりと、初めてインド文化に触れられて、とても楽しい時間を過ごせました。
ご祝儀について
一般的な相場は以下の通りです。
- 同僚や友達……約MYR 50~70(約1,300~1,820円)
- 部下や上司……約MYR 70~150(約1,820~3,900円)
祝儀袋は中華系と同様、日本の100円ショップ売っているようなポチ袋で大丈夫です。色はヒンズー教で縁起が良いとされている「黄色」か「紫」を選びましょう。
渡し方ですが、披露宴には受付係がいないので、帰り際に自分が知ってる方に直接渡します。
どんな服装がいいの?
ヒンズー教でも「白」は葬式をイメージさせるので、避けてください。小ぎれいなワンピースであれば大丈夫です。
私は「サリー」というインドの伝統衣装を着たのですが、新郎新婦や親戚の方にも大変喜んでもらえましたので、「サリー」もおすすめです。
サリーは、クアラルンプール中心地にあるインド人街「ブリックフィールズ」でMYR 60(約1,609円)で、5メートルほどの長い布を購入しました。
腰から肩へ巻き付けるのですが、着付けはかなり難しいのでYou tubeなどの動画を見ながら何回も練習しました。
私の友人は、初心者でも簡単に着用できるように「ブリックフィールズ」でオーダーメイドして「1人でも簡単に着用できた!」と、とても気にいっていました。
まとめ~気軽に参加できる結婚式文化~
1つの国でさまざまな結婚式文化が見られるのは、マレーシアの「楽しさ」だと思います。私は全ての民族の結婚式に参加しましたが、同じ国とは思えないほど文化の違いを楽しめました。
しかもマレーシア人は「人とのつながり」をとても大事にしているので、新郎新婦と直接のつながりがなくても参加できます。実際、家族連れで来てる人がとても多かったです。日本よりも気軽に参加できるので、機会があればぜひ経験してみてください。