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なぜマレーシアはロングステイの人気が高いのか?

マレーシアの夜景

マレーシアは、2006年から日本人のロングステイ先として人気ランキングの1位を守り通しています。

行ったことがなくても住みやすそうなイメージは持ちやすい国でしょう。しかし、タイやベトナムだって条件はそう変わらないはずです。では、なぜマレーシアの人気が衰えないのか?

マレーシアのコタキナバルに3年住んだ私の視点で、その理由をお話しします。

マレーシアは物価が3分の1でも生活可能

小籠包

どのレベルの生活をするか

マレーシアの物価は日本の3分の1という話をよく見聞きします。実際はどうなのでしょうか?

常に3分の1のものを選べば本当にそうなります。どこの国にいても同じですが、選択の幅が広いのです。

日本食レストランでの外食が多ければ、それなりの出費がありますし、家で料理をするとしても、輸入食材を使えば割高です。家や衣類も同様で、どのレベルを選ぶかになってきます。

あくまでローカルの人と同じ生活を、と考えたら3分の1になるのです。

寿司

実際はというと

散財をする気はなくとも、時には日本食が食べたくなるし、セキュリティーを考えたら家だってそれなりの値段になります。日本人ゆえに、日本人と付き合わなくてはならない場合もあります。

今の日本での生活と比べて、同じ金額でちょっと贅沢ができる程度に思っていた方が良いでしょう。日本で切り詰めて生活している人が、マレーシアに来たら大富豪になる、なんてことは決してありません。

マレーシアのお金持ちの方が、一般的な日本人よりはるかに裕福です。実際に住むには、自分なりの選択基準が必要になります。

マレーシアの治安は

マレーシア

治安は良いと思います。もちろん注意は必要ですが、夜間を除けば数メートルごとに後ろを振り返らなければならない、そんなことはありません。買い物をするにも、騙されたりすることはほとんどないと言って良いでしょう。

しかし、油断は禁物です。外国人であることを常に忘れてはなりません。近寄らない方が良い通りや路地もあります

子どもは1人で歩かせない、幼児は手を繋ぐ、カバンの口は閉める、バッグを残して席を立たない、など習慣付ける必要があります。

マレーシアは一年中暖かいのか

プール

気候は暖かいです。むしろ暑いです。日本が冬になる頃は雨季に入り、朝晩は多少涼しくなりますが、「今日は寒いな」と思っても26度はあります。

年間通して半袖とサンダルで過ごすことができます。シーズンごとに服や靴を買うことがないので、日本に比べて衣類にはお金がかかりません。

1年中同じ格好でも過ごせるのに、新作の入れ替えがあるのでセールもあります。メガセールは11月から年末にかけてです。必要な衣類は、そのときにまとめて買うのも良いでしょう。

マレーシアは他の国と何が違うのか

マレーシア

MM2H

なぜ、ロングステイ先としてマレーシアが選ばれるのか!?

MM2H(マレーシア・マイ・セカンド・ホーム)というリタイアした人たち向けのビザがあることが大きな理由でしょう。このビザを利用して、日本とマレーシアを半々で暮らしている方もたくさんいます。

ただし、MM2Hだとマレーシアでは働けません。仕事をしないというだけでストレスは激減するので、「暮らしやすい場所」につながるのかもしれませんね。

外国人が多いゆえに、外国人向けのコンドミニアムもたくさんあります。家具付きの家にプールやジムが付いているものがほとんどです。

発展途上国からの脱出

駅

マレーシアのマハティール首相は、2020年に先進国入りすると表明しています。まだまだ田舎は先進国とは程遠いですが、インフラを含め発展中なのです。大都市クアラルンプールの電車通勤時には、東京のそれとあまり変わらない風景が見られます。

クアラルンプールを一歩離れれば車社会ですが、車の普及や舗装されたアスファルトは日本と大差ありません。また、日本よりも流通経路がよいので、日本では未発表のブランドものもあったりします。

多民族国家

民族衣装

私は、これが他の国と違う1番の理由だと思います。マレーシアはもともと多民族国家です。同じ学校、同じ職場にいても、1人1人のバックグラウンドが違います。マレー系、中華系、インド系、さらにボルネオ島には先住民族もいます。

マレーシア人は産まれてからずっと、宗教も言語も価値観も違う人たちと暮らしてきています

ときどきマレーシア人から「何語で話したらいいですか?」と聞かれます。マレーシアには、相手に合わせたり、相手を理解しようとしたり、自分とは違うことを受け入れたりすることが自然に行える土壌があると感じます。

外国人を受け入れてくれるのも、こういうベースがあるからなのでしょう。

まとめ

花

物価が安くても気候が良くても、1人きりで生活していくのはしんどいです。もちろん親日国だから日本人が住みやすいということもありますが、多くのマレーシア人が相手の国や考えの違いを理解しようとしてくれる姿勢を持っています。

MM2Hの取得者は、ある程度の資産がないと取れないため、リタイアした年配の方が多いです。しかし、中には子供を連れた家族もいます。子供たちにとっても多民族の中での生活は、とても大きな経験になるでしょう。

一言で言えば「居心地の良い国」。きっとそれがマレーシアの最大の魅力であり、ロングステイ・ランキング1位の理由でしょう。

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マレーシア生活・就職HACK編集部
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